退職代行で後悔する3つの原因|失敗しない業者の選び方

木製のデスクに革表紙の手帳・コーヒーカップ・多肉植物が置かれたシンプルな部屋。左側に『退職代行で後悔する3つの原因』のテキスト入り 退職

「退職しようと決めたけど、自分の口からは伝えにくい……」

「退職代行を利用したいけど、あとから後悔しないか不安……」

そんな気持ちでこの記事を読まれていることと思います。

退職代行を利用した人のうち、約4人に3人は満足している一方、約4人に1人は不満が残ったというデータがあります。

ただ、後悔の理由を深掘りすると、サービスの仕組みと業者の選び方さえ知っていれば防げるものばかりです。

この記事では、以下の3つを中心に解説します。

  • 退職代行で実際に起きた後悔の内容と原因
  • 退職代行にまつわるよくある心配事への回答
  • 後悔しない業者の選び方

また、退職代行の利用に対する後ろめたさへの向き合い方にも触れています。

この記事で不安が払しょくされ、前向きな気持ちで退職に向かっていただけたら嬉しいです。

出典:退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)(マイナビキャリアリサーチLab)

退職代行サービスを利用して後悔した内容と原因

まずは、実際に退職代行サービスを利用した人が、どんな内容で後悔したのかを、原因/対処法と合わせてみていきましょう。

他の人がどんな失敗をしたかを知れば、後悔を防ぐヒントが見えてきます。

後悔した内容 主な原因 対処法
退職交渉でトラブルが発生し、結局自分で対処することになった ①知識不足 ②認識ズレ 業者の対応範囲を事前に確認する。トラブル発生時の対処も含めて依頼内容を整理しておく。
残っている有給消化が会社に認められなかった ①知識不足 ③実行品質 交渉対応が可能な業者(労働組合・弁護士)を選ぶ。有給消化の希望を依頼前に明確に伝える。
想定外の追加料金が発生した ①知識不足 ②認識ズレ 基本料金・追加料金・支払いタイミングを依頼前に書面または画面で確認する。
想定より退職手続きに時間がかかった ③実行品質 設立年数・実績件数を参考に、対応実績のある業者を選ぶ。
届くはずの書類が届かなかった ③実行品質 退職後に受け取る書類(離職票・源泉徴収票など)の手配を依頼前に確認する。
悪質な業者だった ①知識不足 ③実行品質 運営元の種類・料金の透明性・返金保証の有無を確認し、信頼できる業者を選ぶ。

① 知識不足:サービスをよく理解していれば防げた
② 認識ズレ:事前確認で防げた
③ 実行品質:業者選びで防げた

後悔の内容はいくつもあるように見えますが、実は主にこの3つが原因です。

知識不足と認識のズレは自分の行動で、業者の実行品質は業者選びで防ぐことができます。

つまり、多くの後悔は未然に防ぐことが可能なのです。

ただ、ひとつだけ、①〜③では防げないケースがあります。

それは「退職した会社への再就職が難しくなる可能性」です。

退職代行の利用が、「誠実さに欠ける」と捉えられることがあります。

辞めた会社へ再就職する際の採用判断に影響する可能性は理解しておきましょう。

退職代行を利用して後悔した人は実際どのくらいいるのか

「退職代行」と検索すると、「後悔」「トラブル」などのネガティブなワードが目につきます。

実際、どのくらいの人が後悔しているのでしょうか?

マイナビ キャリアリサーチLabの調査によれば、2023年6月からの1年間で、退職代行を利用したのは16.6%(回答数:800)。

退職者の約5人に1人は退職代行サービスを利用しています

サービスを利用した理由は「引き止められた(引き止められそうだ)から」が4割で最多。

他にも「自分から言い出せる環境じゃない」「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」などの理由もあるようです。

サービスを利用した人の中で「今後も利用したい」と回答した割合は74.2%。

つまり、約4人に3人は満足している一方、約4人に1人は不満が残ったという結果でした。

「約4人に1人は不満が残った」という数字を見て、いかがでしょうか。

私は「結構多いな」という印象でした。

自分が3人の方に入れるよう、理解と準備を進めましょう。

出典:退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)(マイナビキャリアリサーチLab)

退職代行の利用は逃げではないか

自分で退職を伝えにくい状況で、退職代行を検討しているけど、悪い話も聞こえてくるので不安……。

だけど今の職場に居続けるのもつらい……。

そんな板挟み状態になっているとしたら、毎日しんどいですよね……。

退職代行を利用することで、周りから誠意が足りない人だと思われるかも……という不安もあるかもしれません。

ですが、退職を自分の口で伝えにくいのは、あなたのせいではありません。

引き止めやプレッシャーなど、言い出せない環境を作っているのは職場(会社)です。

自分がコントロールできないものに対して、できる範囲の手段を使おうとしているだけなのです。

退職代行の利用を、次のステップへ進む「手段」と捉えてみてください。

退職代行の利用でよく心配されること

退職代行を利用するにあたって、多くの人に共通する「心配事」があります。

基本的に心配する必要はありませんが、一部注意が必要なケースもあります。

それぞれ理由も合わせてみていきましょう。

退職代行サービスは信用できるのか

退職代行サービスが信用できるかどうかは、「業者による」というのが正直なところです。

退職代行サービスへの不安は、特定の業者への不安というより、サービス・業界自体への不安であることが多いです。

その背景には以下のような理由があります。

  • サービスの歴史が浅く、社会的認知がまだ低い
  • 利用すること自体を否定的に見る声がある
  • 弁護士以外が交渉行為を行うことへの法的な議論がある
  • メディアでネガティブな事例が取り上げられやすい

ただ実態として、退職代行サービスは今や転職者の約5人に1人が利用する身近な存在になっています。

利用者の74.2%が「また利用したい」と回答しており、多くの人が満足していることも分かっています。

一方で、参入障壁が低いため対応品質には業者によって差があるのも事実です。

記事の後半で、信頼できる業者の見極め方を確認しましょう。

出典:退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)(マイナビキャリアリサーチLab)

損害賠償を請求される可能性はあるのか

退職代行サービスの利用そのものを理由に、損害賠償請求をされることはほぼありません。

退職代行サービスを利用すること自体が何らかの義務違反になったり、会社に損害を与えたりすることはないからです。

ただ、サービス利用者が業務の引き継ぎをしなかったことで、会社の業務に支障が出たり、業績が悪化したりした場合、会社は損害賠償請求を検討する可能性があります。

多くの場合、業績悪化がサービス利用者の責任であることを証明することが難しく、損害賠償請求に至る可能性は低いです。

しかし、無断欠勤が続き、一切の引き継ぎをしなかったことで、会社に与える損害が大きい場合は、損害賠償請求をされるケースもあります。

基本的には、誠実に業務を行い、会社が困らない範囲の引き継ぎ情報を残してさえいれば、責任を問われる心配はありません

退職前に引き継ぎ情報をまとめておくことで、トラブルは未然に防げます。

参考:退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法(ベンナビ労働問題)

参考:退職代行を利用した従業員へ損害賠償請求をしたい!方法について弁護士が解説(弁護士法人 ロア・ユナイテッド法律事務所)

転職先に退職代行を利用したことが伝わるのか

利用者自ら言わない限り、基本的に、退職した会社から転職先に伝わる仕組みはありません。

退職者の情報を、本人の同意なく第三者へ漏らすことは「個人情報保護法第27条(第三者提供の制限)」において禁止されているからです。

転職先の多くは、提出された履歴書や経歴書の内容が事実であるかを確認するため「前職調査」を行います。

その際、個人情報に関わる内容は本人の同意を得ずに情報収集できません。

しかしここで注意しなければいけないのは、この法律に対して「認識が甘い/理解が不足している会社も多いこと」です。

これが、この章の冒頭で「基本的に」と記載した理由です。

特に、前の会社の関係者が転職先にいる、前の会社と同じ業界で転職する場合は注意が必要です。

退職代行会社にも「個人情報保護法第27条(第三者提供の制限)」が適用されます。

基本的に、退職代行会社から第三者へ情報が提供されることはありませんが、一部の悪徳業者はその限りではありません。

この後の章で、業者の正しい選び方を確認しましょう。

参考:退職代行を使っても転職先にはバレない!バレるケースや対処法も解説(ベンナビ労働問題)

参考:前職調査はどこまで調べられるのでしょうか?(PORTキャリア)

家族に知られずに利用できるのか

基本的に、家族に知られずに利用できます。

会社や業者から家族に伝わる仕組みはなく、業者とのやり取りは本人が行うため、家族の同意も不要です。

ただし、以下の場合は家族に伝わる可能性があります。

  • 依頼者と連絡が取れない
  • 自分のSNSなどで発信してしまう
  • 業者とのやりとりや書類を家族に見られてしまう
  • 家族と交流のある同僚が話してしまう

自分でコントロールできる範囲は注意を払いましょう

会社と直接連絡を取ることは一切ないのか

退職に関わる交渉まで含めて業者へ依頼した場合は、基本的に会社と直接連絡を取ることはありません。

会社への連絡から退職交渉までが、代行業者の業務範囲だからです。
(※ 依頼する業者の種類によります。詳しくは次の章で解説します。)

ただ以下の場合は、会社から直接連絡がくる可能性があります。

  • 対応範囲が「退職を伝えるだけ」の業者の場合で、退職を伝えた以降に交渉が発生する
  • 会社が、本人の意思確認のために直接連絡してくる
  • 業者が会社との必要なやり取りを怠った

退職前の準備を万全にして、業者を正しく選ぶことで、会社から連絡がくる可能性を低くできます。

後悔しない退職代行業者の選び方

ここでは、後悔の原因となる「知識不足」「業者との認識のズレ」「業者選びの失敗」を防ぐ方法を解説します。

退職代行サービスをよく理解した上で、後悔しない業者選びにつなげましょう。

退職代行業者へ依頼できることを理解する

「ここまでやってくれると思ってたのに……」

「想定外の事態に対処してもらえなかった……」

ネット上で、退職代行を利用して後悔した人のこんな声が見られます。

まずは、退職代行業者によって「できること」と「できないこと」があることを理解しましょう。

退職代行業者は、運営会社の種類によって3つに分けられ、対応可能な業務に違いがあります。

項目 民間企業 労働組合 弁護士
退職の意思表示
交渉
(有給消化・未払い賃金など)

(団体交渉権による)
法的対処
(損害賠償請求・訴訟など)
料金 2~3万円 2.5~3.5万円 5~10万円以上
公務員・有期雇用 非対応 非対応 対応可
備考 「弁護士監修」と謳っていても、交渉・法的対処は不可 利用時は一時的に組合員になる必要あり。「弁護士監修」でも法的対処は不可 全ての対応範囲をカバー

これらの知識を頭に入れて、依頼する業者選定に進みましょう

さらに詳しい内容は、別記事で詳しく解説しています。

よろしければぜひそちらもご覧ください。

信頼できる業者の選び方を知る

信頼できる業者を選べるかどうかが、後悔するかしないかの分かれ目です。

以下のポイントを確認しましょう。

✅ 確認すべき判断基準
運営元の種類
民間・労働組合・弁護士のどれかを確認する。対応範囲の違いが、そのまま信頼性の基準になります。
料金の透明性
「ケースにより金額が変わります」という記載は要注意。基本料金・追加料金の有無・支払いタイミングが明示されているかを確認しましょう。
返金保証の有無と条件
依頼内容が達成できなかった場合の返金保証があるか、保証の条件に細かい制限がないかを確認しましょう。
設立年数・実績件数
設立年数が長い・実績件数が多いほど信頼性の目安になりますが、いずれも自社申告のため鵜呑みにしないことが前提。あくまで参考程度にとどめましょう。
⚠️ 注意したいポイント
公式サイトの完成度
退職代行サービスの公式サイトは、コストを抑えるためシンプルに作られているケースが多いです。サイトの完成度だけでは判断できません。
口コミ・レビュー
公式サイトの口コミは脚色されている可能性があります。個人のSNSや比較サイトも広告目的のものが多く、完全には信頼できません。口コミはあくまで参考程度にとどめましょう。

全ての情報を公式サイトで確認することは難しいです。

気になる点は必ず業者へ直接確認しましょう。

依頼前に業者へ確認すべきこと

意外と抜けてしまうのが「業者との認識合わせ」です。

あなたが運営会社の種類や依頼できる内容を理解していても、「これもやってくれるだろう」という思い込みで、希望通りの結果にならないことも考えられます。

業者側が「これは当たり前のことだから」と、詳細な説明を省略する可能性があることも注意しなければなりません。

認識違い(思い込み)が起きやすいポイントをしっかりと押さえておきましょう。

運営会社の種類
民間・労働組合・弁護士のどれかを確認する。
例)「弁護士監修」という言葉で、弁護士へ依頼したつもりになっていた
具体的な対応範囲(退職の意思表示・交渉・法的対処)
どこまで対応してもらえるかを具体的に確認する。
例)交渉の範囲を「トラブル」と判断され、以降の対処を拒否された
料金体系(基本料金・追加料金・支払いタイミング・返金保証)
費用に関わる全ての条件を依頼前に書面または画面で確認する。
例)想定していなかった追加料金が発生した/返金保証に細かい条件があった
公務員または有期雇用が対象かどうか
自分の雇用形態が対応範囲に含まれるかを確認する。
例)民間業者なのに依頼を受け、結果退職できず、返金もされなかった
会社と一切やり取りせずに退職できるか
依頼後に自分が会社と直接連絡を取る必要があるかを確認する。
例)トラブル回避のための引き継ぎとして、会社と直接のやり取りが発生した

 自分が依頼したい内容をきちんと整理した上で、認識違いが起きないよう、依頼内容をもれなく確認しましょう

退職代行が自分に合っているかを確認する

退職代行サービスへ正式に依頼したら、もう取り消すことはできません。

依頼する前に「本当に退職代行の利用が最善か?」を最終確認しましょう。

退職代行の利用は、退職時の作業的・精神的負担を減らせることが最大のメリットです。

一方で、退職する会社や同僚との関係に大きく影響することもあります。

今置かれている状況と、この先の計画の両面から検討・判断することが、後悔しない退職につながります。

退職代行のメリット・デメリットや、利用した方が良いケースについては、別記事で詳しく解説しています。

よろしければそちらの記事もご覧ください。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

この記事を読んでいる方の多くは、会社を辞めづらい状況にあるのではないかと思います。

退職代行が今の状況に合っていると判断したら、迷わず利用しましょう。

最も優先すべきは「心身ともに健康な自分でいられること」です。

前向きな気持ちで、新しい一歩を踏み出せることを祈っています。

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